OpenAIから新たにリリースされた最新AIモデル「o1(オーワン)」。o1は、既存のモデルであるChat GPT-4oとは異なり、思考プロセスを可視化できる点が特徴です。これにより、o1がどのように回答を導き出したのかを確認することができます。
本記事では、o1の特徴、o1とChat GPT-4oを比較してどのように優れているのか、また料金などをくわしく解説します。
OpenAI o1の特徴
OpenAIの最新モデルo1の特徴は、以下のとおりです。
思考プロセスを可視化できる
o1は、回答を導き出すまでの思考プロセスを可視化できる点が、従来のGPT-4oと大きく異なります。 GPT-4oはトークンベースで回答を生成するため、思考プロセスがブラックボックス化されていました。
一方で、o1は人間のように思考の連鎖を段階的に行い、問題解決に至るまでの道筋を明示的に示します。 このため、o1の思考過程を理解しやすく、納得感を得ながら対話できます。
思考プロセスは公式サイトで確認できます。
高度な論理的思考力
o1は、複雑な問題に対して人間のように考え抜く能力である高度な論理的思考力を備えています。 物理、生物、科学などの分野の問題において、人間並みの精度を超える成績を記録しており、専門家の間でも注目されています。
とくに、数学の分野では、国際数学オリンピックの問題において8割以上の正答率を達成しており、従来のAIモデルと比較して飛躍的な進歩を遂げています。
効率的な強化学習
o1は、問題やタスクを与えられると、自己評価とフィードバックを通じて自ら学習し進化していく効率的な強化学習プロセスを採用しています。
従来の言語モデルのように、人間によるフィードバックや大量のテキストデータに依存する必要がないため、効率的に学習を進めることができます。 この自己学習能力により、o1は常に進化を続け、その性能を向上させています。
OpenAI o1とChat GPT-4oの違い
o1は、複雑な問題解決や論理的思考が求められるタスク、高度なコーディング、科学研究、ビジネス戦略立案などに適しています。 とくに、段階的な思考プロセスやその根拠を確認したい場合は、o1が有効です。
Chat GPT-4oは、一般的な質問応答、文章生成、要約など、幅広いタスクに対応できます。 処理速度が速く、一般的なタスクには十分な性能を持っているため、多くのユースケースで引き続き有効です。
OpenAI o1でできること、できないこと
OpenAIの最新モデルo1でできることとできないことを解説します。
OpenAI o1でできること
o1では、主に次の活用が期待できます。
ビジネス戦略への活用
o1は、複雑な情報を分析し、段階的に思考することで、ビジネス戦略の立案に役立ちます。
従来のAIモデルでは難しかった、数値に基づいた現実的な計画を立てることに活用できます。
OpenAI o1でできないこと
現在、o1でできないことは以下の4つがあります。
Web閲覧やファイルのアップロード
現時点では、o1はWebサイトにアクセスしたり、ファイルや画像をアップロードしたりすることができません。 必要な情報は、すべてプロンプトに入力する必要があります。
マルチモーダル対応
o1は、現時点ではテキストのみを処理することができ、画像や音声などのマルチモーダルな入力に対応していません。
すべてのタスクでGPT-4を凌駕していない
o1は、多くの点でGPT-4を上回る性能を示していますが、すべてのタスクにおいてGPT-4を置き換えるものではありません。 一般的な質問応答や文章生成など、GPT-4の方が適しているタスクも存在します。
誰でも利用可能できるわけではない
o1は、現在、ChatGPT Plusやチームユーザーなど、一部のユーザーに限定して提供されています。 また、利用できるメッセージ数にも制限があります。
- OpenAI o1-previewでは週に30メッセージまで
- OpenAI o1-miniでは週に50メッセージまで
OpenAI o1のAPI価格
OpenAI o1-previewとOpenAI o1-miniの価格は、入力トークン100万件あたりで計算されます。
- o1-previewは入力トークン100万件あたり15ドル
- o1-miniは入力トークン100万件あたり3ドル
出力トークンに対する料金は、それぞれのモデルで異なります。
- o1-previewは出力トークン100万件あたり60ドル
- o1-miniは出力トークン100万件あたり12ドル
これらの価格は、API経由でOpenAIのサービスを利用する場合の料金です。
まとめ
本記事では、OpenAIの最新AIモデル「o1」について解説しました。
o1は思考プロセスを可視化し、高度な論理的思考力と効率的な強化学習を特徴としています。
o1は、まだ開発初期段階であり、今後、ウェブ閲覧やファイルのアップロードなど、さらに多くの機能が追加される予定です。
有料ユーザーの方は、すでにo1の実力を体験できるので、利用してみてはいかがでしょうか。
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