OpenAIは2024年12月16日、「12 Days of OpenAI」イベントの7日目でChatGPTの新機能「Projects」を発表した。この機能は、チャット内容や関連ファイル、カスタム指示を一元管理することで、プロジェクト単位での作業効率を向上させることを目的としている。まずはChatGPT Plus、Pro、Teamユーザー向けに提供が開始され、Web版およびWindowsアプリから利用可能となった。EnterpriseおよびEduプランでは2025年1月から利用できる予定だ。
「Projects」機能は、プロジェクトごとにチャットを整理し、関連するファイルをアップロードすることで、必要な情報を即座に引き出すことが可能。ExcelやPDFといった一般的なファイル形式に対応しており、例えば製品マニュアルや会議の参加者リストをプロジェクトに紐付けることで、ChatGPTとの会話をその文脈に即したものに変えることができる。また、カスタム指示をプロジェクト単位で設定することで、「簡潔に回答」や「日本語のみで応答」といった条件を柔軟に指定することもできる。
OpenAIのデモでは、シークレットサンタの企画管理やWebサイト開発プロジェクトへの応用例が紹介され、ChatGPTの精度の高い会話能力とこの管理機能の組み合わせによるスムーズで直感的なプロジェクト運営が可能になることが示されていた。
「AGI」への伏線?さらなる発表への期待が高まる
この日の発表に関連して注目を集めたのは、「Projects」デモ画面に一瞬映り込んだ「AGI(DON’T show on live…)」というフォルダ名だった。この「ライブ中には見せないで」という注意書き付きのフォルダが何を意味するのかについて、イベント視聴者の間で議論が巻き起こった。同様に、先日公開された別のデモでは、「Super Secret AGI」と書かれたカレンダーの予定が映り込むなど、OpenAIがAGI(汎用人工知能)の存在を仄めかしているとして話題になっている。
これまでの報道によれば、OpenAIは「Strawberry(ストロベリー)」というプロジェクト名の下でAGIの開発を進めている可能性があるという。このプロジェクトは、単なる質問への応答を超え、インターネット上の情報を自律的かつ精確に操作することを目指しているとされている。これらの断片的な情報がAGIの発表を示唆しているのか、まだ詳細は不明だが、イベント終了までの残り5日間に何らかのサプライズがあるのではないかとの期待が高まっている。
OpenAIがこのイベントの最終盤でどのような発表を行うのか、未来の技術がどのように形を成すのか、その全貌を見届ける瞬間が近づいている。
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