Google社は2024年11月7日、AI搭載の新しい動画作成アプリケーション「Google Vids」の一般提供を開始したと発表した。このツールは、同社の生成AI「Gemini」を活用し、企業のビジネスコミュニケーションを変革することを目指している。
Vidsは今年4月の「Google Cloud Next ’24」で初めて発表され、カスタマーサービス、従業員トレーニング、マーケティングなど、幅広いビジネスシーンでの活用が期待されている。特徴としては、動画制作の経験がないユーザーでも、直感的なインターフェースを通じて、プロフェッショナルな品質の動画を作成できる点だ。
AIアシスタントによる動画制作支援
Vidsの中核となる機能は、「Help Me Create」と呼ばれるAIアシスタント機能だ。ユーザーは作成したい動画の概要をプロンプトとして入力するだけで、Geminiが自動的にストーリーボードを生成する。さらに、ストックフッテージの自動挿入、スクリプトの生成、AIナレーションの作成まで、動画制作の全工程をAIがサポートする。
提供対象は、Google Workspace Business StandardおよびPlus、Enterprise StandardおよびPlus、Essentialsなどのサブスクリプションプラン加入者となる。ただし、現時点でプロンプトの日本語対応はまだ実装されていないものの、Workspace Labsへの参加により日本のユーザーも利用可能だ。
注目すべき点として、2025年12月31日までは全てのAI機能が制限なく利用可能だが、2026年以降は一部のAI機能に使用制限が設けられる可能性がある。また現在は、作成と編集はデスクトップ環境のみでの対応となっており、モバイルデバイスでは表示機能のみが利用可能となっている。
Vidsの登場により、企業の動画コンテンツ制作における時間とコストの大幅な削減が期待される一方で、クリエイティブ業界に与える影響について、専門家の間で議論が始まっている。
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