多様な生成AIモデルを一箇所で提供するリートン(wrtn)は、なぜGPT-4 Turboが無料で提供されているのでしょうか?
実は、その背景には「みんなのAI」という強いビジョンがあります。
本記事では、リートン(wrtn)のGPT-4 Turboがなぜ無料なのか、また安全性や使い方についても解説します。リートン(wrtn)を使おうか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
リートン(wrtn)とは
リートン(wrtn)は、世界中の多くの生成AIモデルを一箇所に集めて提供するAIプラットフォームで、誰でも簡単にチャットベースの対話型インターフェースを利用できます。
テキストを入力するだけで必要なコンテンツを生成でき、簡単かつ迅速にAIを体験できます。
ちなみに、リートン(wrtn)は韓国ソウル市に本社を置くWrtn Technologies社が運営しています。同社は2023年11月1日に日本法人となる「Wrtn Technologies Japan」を設立しました。
現在では全世界で200万人以上のユーザーがリートン(wrtn)のサービスを利用しています。
ChatGPTとリートン(wrtn)の違い
リートン(wrtn)とChatGPTの主な違いは、料金体系と提供モデルの種類です。
ChatGPTは自社モデルのGPT-3.5、GPT-4、GPT-4 Turbo、DALL-Eの利用可能です。
GPT-4 Turboを使用するためには月額20ドルのGPT Plus会員の登録が必要で、このプランでも利用は40回/3時間までと制限されています。
一方、リートン(wrtn)はOpenAIのGPTモデルの他にも、Googleの「PaLM2」やAnthropicの「Claude Instant/Claude 2.1」、Stability AIの「SDXL」などさまざまなモデルを一箇所で提供しています。
また、3月27日のアップデートによりGPT-4 Turboが全ユーザーに公開されました。今までとおり、追加の料金が発生することもなく、自由に利用できます。
リートン(wrtn) | ChatGPT | |
---|---|---|
料金※GPT-4 Turbo利用時 | 無料 | 月額20ドル |
モデル数 | 7つのモデル | 4つのモデル |
リートン(wrtn)の提供AIモデル一覧
リートン(wrtn)で使用可能な生成AIモデルは以下のとおりです。
★テキスト生成モデル
【OpenAI】 GPT‐3.5:高速で回答 GPT-4 Turbo:長文を理解して回答 【Google】 PaLM2:高速で読みやすい回答 【Anthropic】 Claude Instant:高速で自然な回答 Claude 2.1:自然で理解しやすい回答 |
★画像生成モデル
【Stability AI】 SDXL:英語で画像生成 Japanese SDXL:日本語で画像生成 |
将来的にはOpenAIのGPT-4-VとDALL‐E 3が追加される予定です。
リートン(wrtn)のGPT-4Turboはなぜ無料?
リートン(wrtn)は、「みんなのAI」を目指し、生成AI技術を身近に提供し、よりアクセスしやすい環境を構築しています。
マイクロソフトとの業務協約を通じて、Azure OpenAI Serviceを活用しています。その結果、GPT-4 Turboなどの先端的なAIを、全ての人に対して完全無料で提供できるようになったのです。
ユーザーには追加の費用が発生せず、安心してサービスを利用できます。
リートン(wrtn)の安全性について
リートン(wrtn)は、ユーザーの情報の安全性を確保するために明確な[プライバシーポリシー]を設けています。
情報の収集・利用目的はしっかりと定義されており、適切な安全管理措置が講じられているため、ユーザーは自分の情報の開示、訂正、利用停止等を求めることが可能です。
しかし、懸念点として外部委託先に対する監督体制が明確ではない点が存在します。ユーザーへの安全性を更に確保するためには、外部委託先の監督体制を明示することが考えられます。
リートン(wrtn)の使い方
リートン(wrtn)を使うには、まずログインをクリックします。
会員登録します。(LINEかGoogleでも可)
メールアドレスを入力して、「送信する」をクリックします。
届いた認証コードを入力し、「確認」→「次へ」をクリックします。
次に、パスワードを設定します。
最後に、3箇所の同意にチェックを入れます。
登録後には、プロフィールの入力を求められます。プロフィールを登録することで、リートン(wrtn)が賢く回答してくれるようになります。
すべてが終わると、次のように「会員登録完了」の文字が出ます。
ログインできたら赤枠のプルダウンから好きなモデルを選択し、自由に使ってみましょう。
AIキャラ
AIキャラを利用すれば、設定した口調で会話を楽しめます。また、すでにあるテンプレートからキャラを選んで会話することもできます。
試しに、星座や占星術に基づいて個人の運勢を読み解く、 占いの達人「すたーふぉるちゅん」というキャラクターと会話してみました。
しっかりとした回答が送られてきて、正直びっくりしました!なかなかの精度で、会話を続けるのも楽しくなります。
リアルタイム検索機能「AI検索」
2024年2月27日に、OpenAIの最新大規模言語モデル「GPT-4 Turbo」を利用したリアルタイム検索機能「WRTN Search」がリリースされました。
これは、リートン(wrtn)が独自の技術で開発した機能で、最新情報をAIに聞きたいというニーズに応えています。
これまでのGPT-4 Turboは、2023年4月までの既存情報をもとに回答を生成していました。しかし、最新情報を必要とする質問には対応できないという問題があったため、この新機能が開発されたのです。
現在は、名称が「AI検索」に変更されています。
実際に「AI検索」を使ってOpenAIの「Sora」について質問すると、最新の情報を基にした適切な回答が得られることが確認できました。
また、情報がどのサイトから提供されたものなのかを理解するために、適宜リンクが提供されています。
文章生成の精度比較
各モデルの文章生成の違いや、情報の正確性を実際に評価するために、日本の標高の高い山のトップ5を問い、その結果を比較しました。
日本の標高の高い山のトップ5の正解はこちらです。
- 富士山・・・3776m
- 北岳・・・3193m
- 奥穂高岳・・・3190m
- 間ノ岳・・・3189m
- 槍ヶ岳・・・3180m
GPT‐3.5の回答
GPT‐3.5は、富士山と北岳が正解でした。
GPT-4 Turboの回答
GPT-4 Turboは2023年4月までの情報を持っており、全ての順位が正確でした。
情報の正確性はさすがのGPT-4 Turboと言えます。
PaLM2の回答
PaLM2は、富士山と北岳が正解でした。
また、改行や文章などがなく、非常に簡潔に答えてくれる印象があります。
Claude Instantの回答
富士山のみが正解でした。
Claude Instantはユーザーとの対話を円滑に行うため、できる限りユーザーの質問内容に沿った回答をしてくれるのが特徴です。
Claude 2.1の回答
GPT-4 Turboに次いで正解数が多く、富士山、北岳、穂高岳の3つが正解でした。
Claude 2.1は、旧バージョンアップ2.0よりもハルシネーション(幻覚)発生率が抑えられています。
画像生成の精度
SDXLとは、2023年7月にStability AI社が開発した画像生成AIの最新モデルです。
リートン(wrtn)では、日本語に特化した「Japanese Stable Diffusion XL」も使用できます。SDXL_JPでは、日本語に対応しており、日本特有の文化や表現に強くなっています。
実際にSDXL_JPで生成した画像がこちらです。
10秒以内に一度に4枚の画像が生成でき、中々の精度です。
商用利用も可能なため、フリー画像サイトに希望する画像がない場合などには、自分で作成して使用することもおすすめです。
注意!リートンツールは現在廃止されています
2024年1月までは、リートンツールという「ブログ投稿」や「ツイート生成」をしてくれる、多くの便利機能がありました。
しかし、現在はすべての機能が廃止されてしまい、利用することはできません。リートンツールの使用を検討している方は、この点にご注意ください。
今後公開予定の新機能
現在廃止されているリートンツールですが、機能の見直しが行われており、今後復活の可能性があります。
復活した際には、以下の機能が提供される予定です。
- キャッチコピー作成
- 英文メール作成
- 文書作成
- ショート動画の台本作成
- SNS投稿作成
- TikTokの台本作成
また、これとは別にツールビルダーという自分だけのオリジナルツールを開発できる生成AIや、pdf、 docx、 xlsxなどのファイルを要約・翻訳できる機能も追加される予定です。
まとめ
リートン(wrtn)は、「みんなのAI」をビジョンに掲げ、AI技術の普及を目指しているため、無料でGPT-4 TurboなどのLLM(大規模言語モデル)を提供しています。
安全性についての心配の声も聞こえますが、情報の収集・利用目的がはっきりと定義されているので安心して利用できます。
会員登録後すぐにGPT-4 Turboを利用可能で、文章を送るだけという使いやすさも魅力の一つです。今後はさまざまな新機能が追加される予定で、ますます注目度が高まるツールとなるでしょう。
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